お知らせ

公的年金シミュレーターの試験運用が開始されました(2022年4月25日から)

公的年金シミュレーターとは

厚生労働省のホームページにおいて「公的年金シミュレーター」(働き方・暮らし方の変化に応じて、将来受給可能な老齢年金額をパソコンやスマートフォンで簡単に試算できるツール)の試験運用が4月25日から開始されています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/nenkin_simulator_press.html

「ねんきんネット」とは異なり、マイナポータルからの登録やユーザーIDの取得は不要で、すぐに試算を始めることができます。
「ねんきん定期便」の二次元コードを利用すれば、よりスムーズに入力が可能です。

今回は、この公的年金シミュレーター利用の際の注意点などについて、2022年5月16日現在の概要をお伝えします。

公的年金シミュレーターで試算できる年金は、老齢基礎年金・老齢厚生年金

公的年金シミュレーターで試算できるのは、65歳からもらえる老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)のみです。

年金額は、老齢基礎年金・老齢厚生年金の合計額(年額。千円単位を四捨五入)が表示されるだけで、各年金の内訳額は表示されません。

また、60歳代前半に支給される特別支給の老齢厚生年金は試算の対象外です。

特別支給の老齢厚生年金を受給できる世代(昭和36年4月1日以前生まれの男性や昭和41年4月1日以前生まれの女性)の方が利用する際は、誤解しないように注意しましょう。

なお、老齢厚生年金に加算されることがある「加給年金額」や、老齢基礎年金に加算されることがある「振替加算」も試算の対象外です。

老齢年金以外の障害年金や遺族年金も試算の対象外です。

(比較)日本年金機構の「ねんきんネット」
https://www.nenkin.go.jp/n_net/
では:特別支給の老齢厚生年金がいくらかや、老齢基礎年金、老齢厚生年金がそれぞれいくらかも確認できます。

公的年金シミュレーター活用にあたっての主な注意事項

1.「ねんきん定期便」(令和4年4月以降に発行されたもの)の二次元コードを利用する場合の注意点

50歳未満の人が公的年金シミュレーターを活用する際は、現在の加入状況(加入制度、被保険者種別、標準報酬等)が60歳まで継続すると仮定して試算した年金額が初期表示されることを知っておくとよいでしょう。

50歳未満の人の場合、毎年1回誕生月に届く「ねんきん定期便」には、これまでの加入実績に応じた年金額が記載されていますが、それとは異なる額が公的年金シミュレーターでは表示されることとなるため、誤解がないように注意しましょう。

2.「働き方・暮らし方」を入力する場合

令和4年4月以降に発行された「ねんきん定期便」が手元にない人も、「働き方・暮らし方」や「期間」を入力することで試算できます(厚生年金保険加入期間については、「年収」も入力します)。

期間については「○歳~○歳まで」としか入力できません。
例えば、「働き方・暮らし方」として「会社員・公務員(厚生年金)」を選択し、期間を「60歳~64歳まで」と入力し、その期間の年収を万円単位で入力すると、60歳1か月から64歳12か月までの5年について、厚生年金保険の被保険者として試算されます。

(比較)「ねんきんネット」では:自由に期間を入力して試算ができます。

なお、「公的年金シミュレーター」では、「働き方・暮らし方」の「期間」は最高75歳までしか入力できず、「今後の年収」は最高990万円までしか入力できません。

生涯現役で働く予定の社長さん等は、厚生年金加入の「期間」に「75歳まで」(入力できる最高年齢)と入力して得られたシミュレーション結果(76歳以降退職している場合(厚生年金保険の「70歳以上被用者」でなくなっている場合)の試算が表示されていることとなります)を見て、76歳からは高額報酬で働き続けても年金受給額が大きく増える、と誤解しないよう注意しましょう。

公的年金シミュレーターの年金額や在職老齢年金試算についての注意点

働きながら老齢厚生年金を受給する際の老齢厚生年金(報酬比例部分)と報酬・賞与との調整のしくみ(「在職老齢年金制度」)や老齢厚生年金(経過的加算部分)については、試算において考慮されています。

ただ、在職老齢年金の受給額については、在職支給停止分を除く年金見込み額(年額)が表示されるだけです。
例えば、支給停止前の年金額(老齢基礎年金・老齢厚生年金の合計年額)が200万円、在職支給停止分が120万円の場合、「年金見込み受給額」として「80万円」と表示されます。

(比較)「ねんきんネット」では:特別支給の老齢厚生年金や老齢厚生年金、老齢基礎年金の月額、支給停止見込額(月額)、受給予定年金見込額(月額)が表示され、基金代行部分がある場合は、基金代行部分(月額)も参考表示されます。

なお、「公的年金シミュレーター」で「働き方・暮らし方」として厚生年金加入を選択して期間を入力する場合は、厚生年金加入中の各月の報酬月額・賞与額を入れるのではなく、指定した期間の「年収」を入れる仕様となっています。

「年収」として税や社会保険料を控除する前の個人の年収(賞与を含んだ額)を入力すると、実際の報酬・賞与の割合は考慮されずに、次の通り、機械的に年収の85%を給与、15%を賞与に振り分けて標準報酬月額・標準賞与額を算出して年金見込み受給額が計算される仕様となっています。
・標準報酬月額 = 年収 × 0.85/12 × 0.936(令和4年度再評価率)
ただし、上限65万円(令和4年度現在の厚生年金保険の標準報酬月額の上限額)
・標準賞与額= 年収 × 0.15 × 0.936(令和4年度再評価率)
ただし、上限150万円(令和4年度現在の厚生年金保険の標準賞与額の上限額)

(注)二次元コードを利用する場合は、標準報酬月額、標準賞与額、厚生年金期間月数は二次元コードの年金情報を利用して試算しているとのことです。

また、実際には、標準報酬月額が変動する場合は、9月から(会社が提出する算定基礎届に基づき決定)、または、報酬月額が大きく変動した月から起算して4か月目から(会社が提出する月額変更届に基づき改定)変動しますが、公的年金シミュレーターの「働き方・暮らし方」で複数の厚生年金加入期間・年収を入力する場合、各「期間」として「○歳~○歳まで」としか入力できない以上、標準報酬月額の変動のタイミングは実際とは異なる試算となる可能性があることとなります。

(比較)「ねんきんネット」では:今後何歳何か月から報酬月額いくらで働くかや、賞与を何月にいくら受給するかを入力することもできます。

以上より、公的年金シミュレーターでは、老齢厚生年金の見込額や厚生年金保険加入中の年金受給見込額について、正確には試算できていないケースも多いでしょう。

また、令和4年度から導入された在職定時改定(60歳台後半の厚生年金保険加入者の老齢厚生年金が毎年10月分から増額される制度)にも、令和4年5月18日現在対応されていません。

(在職定時改定を加味した試算については、令和4年5月現在、「ねんきんネット」でも、年金事務所の年金相談でもまだ対応されていません)。

 詳細な試算は、ねんきんネットや年金事務所の年金相談を活用しよう

以上の通り、「公的年金シミュレーター」の将来の年金受給見込み額は、ざっくりとした試算になっています。

主に、
・年金受給開始年齢までまだ年数がある50代以下の方が、ご自身の年金についてざっくりとしたイメージをつかむために
・これまで年金に全く関心がなかった方が、関心を持つきっかけとして
活用いただくとよいのではないかと思います。

65歳からは生涯にわたって一定額の老齢年金がもらえる、ということなどについて手軽に直感的なイメージを掴むためには、効果的なツールかと思います。

詳しい年金見込額試算が必要な場合は、
「ねんきんネット」の「詳細な条件で試算」を行うか、
https://www.nenkin.go.jp/n_net/introduction/estimatedamount.html
50歳以上の方の場合は、年金事務所
https://www.nenkin.go.jp/section/soudan/index.html
の「予約相談」で
https://www.nenkin.go.jp/section/guidance/yoyaku.html
今後の働き方・報酬設定・退職時期などを伝えて、年金見込額が印字された「A4横」の紙(「試算結果」)をもらうとよいでしょう。

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