老齢厚生年金

特別支給の老齢厚生年金とは? どんな人がもらえる?

公的年金に加入して保険料を納めた期間等(保険料免除などを受けた期間や合算対象期間を含みます)が10年以上ある人は、65歳から老齢基礎年金をもらえます。

公的年金に加入して保険料を納めた期間等が10年以上あり、そのうち1か月でも厚生年金保険加入期間(共済組合等加入期間を含みます)があれば、65歳から老齢厚生年金ももらえます。

そのほか、公的年金に加入して保険料を納めた期間等が10年以上あり、そのうち、厚生年金保険加入期間(共済組合等加入期間を含みます)が1年以上ある人が、次のいずれかに該当する場合は、65歳前から「特別支給の老齢厚生年金」ももらえます。

・1961年4月1日以前生まれの男性

・1966年4月1日以前生まれの女性

特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢は、生年月日・性別により異なります。

詳しくは、日本年金機構 「老齢年金ガイド 令和2年度版」
https://www.nenkin.go.jp/pamphlet/kyufu.files/LK03.pdf
の6ページをご参照ください。

なお、下記のいずれかに該当する人についての特別支給の老齢厚生年金は報酬比例部分のみの年金ですので、年金額計算式は老齢厚生年金(報酬比例部分)の計算式と同じです。

・1949年4月1日~1961年4月1日に生まれた男性

・1954年4月1日~1966年4月1日に生まれた女性

老齢厚生年金(報酬比例部分)の年金額の計算式は次の通りです。

・特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)
=平均標準報酬額×5,481/1,000×2003年4月以降の厚生年金保険加入期間の月数

2003年3月以前に厚生年金保険加入期間がある人の場合は、次の通りです。

・特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)
=平均標準報酬月額×7.125/1,000×2003年3月以前の厚生年金保険加入期間の月数+平均標準報酬額×5,481/1,000×2003年4月以降の厚生年金保険加入期間の月数

ただし、厚生年金保険加入期間の月数は、それぞれ以下の期間を用いて計算されます。

・65歳までの「特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)):生年月日・性別に応じて定められた特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢到達月の前月まで

・65歳からの「老齢厚生年金(報酬比例部分)」:65歳到達月の前月まで

したがって、特別支給の老齢厚生年金をもらえる人が、特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢到達月以降も厚生年金保険に加入すると、65歳までの特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)に比べて、65歳からの老齢厚生年金(報酬比例部分)の方が年金額が多くなります。

関連記事

  1. 老齢厚生年金

    60歳定年をむかえるサラリーマンは年金をいつから(何歳から)もらえるのか

    はじめに サラリーマンの年金の基本形 「65歳までの年金」と「65歳か…

  2. 60歳からの働き方

    定年を迎えるサラリーマンが企業年金について最低限知っておきたいこと

    企業年金とは 厚生年金基金・確定給付企業年金・企業型確定拠出年金国か…

  3. 定年

    退職後、雇用保険から失業給付をもらうと年金はどうなるのか

    失業給付(求職者給付)の種類 65歳までの基本手当と、65歳からの高年…

おすすめ記事

最新記事

  1. 令和5年度(2023年度)の全国健康保険協会(協会けんぽ)保…
  2. つみたてNISA 令和5年(2023年) よくある質問
  3. 個人事業主・フリーランスや小規模法人経営者が影響を受ける今後…
  4. 令和6年の次回財政検証・令和7年の次回公的年金改正に向けて、…
  5. 新設・拡充予定の雇用助成金と令和3年度会計検査院検査報告
  1. 健康保険・厚生年金保険

    雇用契約期間と社会保険加入について 令和4年(2022年10月)以降とそれまで
  2. 年金改正

    人生 100 年時代に相応しい全世代型社会保障制度構築・「幸齢社会」の実現などが…
  3. 老齢厚生年金

    【年金額の計算方法】65歳までの特別支給の老齢厚生年金、65歳からの老齢基礎年金…
  4. 老齢基礎年金

    65歳からの老齢基礎年金は満額で約78万円もらえる
  5. 年金改正

    【経営者向け最新情報:厚生年金の標準報酬月額の上限が来年9月より65万円に引上げ…
PAGE TOP