60歳からの働き方

定年を迎えるサラリーマンが企業年金について最低限知っておきたいこと

企業年金とは 厚生年金基金・確定給付企業年金・企業型確定拠出年金

国からもらえる年金以外に、企業年金から年金をもらえる人もいます。

そこで、企業年金についてポイントを確認しておきましょう。

企業年金とは、サラリーマンの年金の3階建て部分となる年金です。

サラリーマンの年金は2階建てが基本なのですが、会社によっては社員の福利厚生のため、3階部分の年金制度まで用意していることがあります。

・1階部分:全国民共通の老齢基礎年金

・2階部分:サラリーマンや公務員などが対象の老齢厚生年金

・3階部分:企業年金制度を持っている会社に勤務した人のみが対象となる企業年金

企業年金には、次の3つがあります。

・確定給付企業年金

・企業型確定拠出年金(企業型)

・厚生年金基金

厚生労働省の公表しているところによると、平成29年度3月末時点現在で、厚生年金に加入しているサラリーマンは3,822万人。

うち、企業年金に加入している人の数はそれぞれ、次の通りでした。
・確定給付企業年金 826万人
・企業型確定拠出年金591万人
・厚生年金基金139万

 

会社が採用している企業年金制度がわからない場合は、会社に確認してみましょう。

企業年金の給付内容は、ご加入の企業年金ごとに異なります。いつからもらえるのかなども確認しておきましょう。

 

 

国の年金の一部を代行する企業年金は、厚生年金基金だけ

上記の3つの企業年金のうち、国の年金の一部を代行するのは厚生年金基金だけです。

厚生年金基金は老齢厚生年金(報酬比例部分)の一部を国に代わって代行支給し、さらに基金独自のプラスアルファ部分を支給するところです。

なお、平成26年4月より厚生年金基金の解散や代行返上を促す法律が施行された結果、
基金の解散・代行返上が増え、基金の数は少なくなっています。

・平成26年3月末現在の基金数531→平成30年9月末現在での基金数21

・平成30年9月末現在の基金数21のうち、解散内諾済み基金数2、代行返上内諾済基金が11となっており、存続予定の基金数が8となっています。

しかし、これから定年を迎える人でも、過去に基金に入っていた期間がある人は多いでしょう。

厚生年金基金に入っていた期間のある人の基金代行額と在職老齢年金

厚生年金基金に入っていた期間がある人の年金と給料との調整(在職老齢年金)は、
基金に入っていた期間も基金に入っていなかったものとして計算します。

 

つまり、60歳台前半であれば、(特別支給の老齢厚生年金+基金代行額)÷12を年金月額として計算します。

65歳以上であれば、(老齢厚生年金(報酬比例部分)+基金代行額)÷12を年金月額として計算します。

 

年金カットは、国の老齢厚生年金(報酬比例部分)から優先して行われます。

年金カット額が国から支払われる老齢厚生年金(報酬比例部分)の額以上となったら、
国から支払われる老齢厚生年金(報酬比例部分)は全額カットとなります。

支給停止すべき金額が厚生年金基金からの年金にもおよぶ場合に、基金からの年金が支給停止されるかどうかは基金の規約によりますが、
原則として国から支払われる年金と同様に支給停止されます。

ご自分の「基金代行額」がいくらかわからない場合は、50歳以上の人であれば、年金事務所の年金相談で確認できますし、
「ねんきんネット」でも確認できます。

基金などの年金の請求漏れがないようにしましょう

厚生年金基金などから受け取れる年金があるのに請求していない人もいます。

企業年金連合会が引きついでいる次の年金などをもらえる人もいます。

1.10年未満(基金により15年未満)だけ厚生年金基金に入った期間分の年金

2.解散した厚生年金基金に入っていた期間分の年金

忘れずに請求するようにしましょう。

企業年金連合会からの年金について不明点がある場合は、企業年金連合会
https://www.pfa.or.jp/
の「企業年金コールセンター」(0570-02-2666)にご照会ください。

(注)企業年金連合会からもらえる年金については、平成28年度末の受給権者数1,011万人に対し、
未請求者数118万人と、11.7%の人が請求手続きを行っていません。

基金の中途脱退者、解散基金に加入していた人の年金

昔勤めていた会社が基金に入っていたかどうかわからない人も多いと思います。

短期間だけ厚生年金基金加入企業に勤めていた分の年金が企業年金連合会からもらえる人(「中途脱退者」)には、
企業年金連合会から年金をもらうための「裁定請求書」が郵送されてきます。

しかし、請求しないままとなっている人や、住所変更等が原因で請求書が届かなかった人もいるようです。

(注)中途脱退者とは:厚生年金基金の加入期間が10年未満(基金によっては15年未満)で55歳前(基金によっては60歳前)に基金加入をやめた人。

基金からの中途脱退者に企業年金連合会から支給される年金(「基本年金」)は、基金加入期間が1ヵ月でもあればもらえます。

「基本年金」は、国から支給される報酬比例部分の年金とは異なり、在職老齢年金・雇用保険の給付との調整の対象外です。障害年金や遺族年金を受けていてももらえます。

複数の基金において中途脱退者となっている場合は、企業年金連合会に請求すれば、すべての基金への短期加入期間分の年金がもらえます。

また、昔勤めていた会社が加入していた基金が解散したため企業年金連合会から年金(「代行年金」)をもらえる場合は、
国の年金の請求手続きを行った後に、企業年金連合会に対して請求手続きを行う必要があります。

「代行年金」は、国から支給される報酬比例部分の年金と同様、在職老齢年金・雇用保険の給付との調整の対象です。障害年金・遺族年金を受けている間の併給調整も国の年金と同様です。

(注)
・平成26年4月以降に解散した基金については、代行部分は国から支給されます。(残余財産を年金で受け取る選択をした場合、その部分は企業年金連合会から支給)

・平成26年4月以降の中途脱退者については、代行部分は加入していた基金から支給されます。(脱退一時金を年金で受け取る選択をした場合、その部分は企業年金連合会から支給)

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